コラム

次亜塩素酸水の空間噴霧は危険?

昨今、消毒や除菌に関して関心が高まっており、様々なメディアでその効果や検証がなされる中、「消毒液の空間噴霧」に関してテレビやインターネットで目にされることも多いのではないでしょうか?

その中でも今回解説するのは「次亜塩素酸水の空間噴霧は危険」という報道の真相です。

次亜塩素酸水を空間噴霧する安全性について詳しく解説します。

1.「次亜塩素酸水の空間噴霧は危険」という報道の真相

WHO(世界保健機構)は以下の見解を表明しています。

「消毒剤を人体に噴霧することは、いかなる状況であっても推奨されない。
これは、肉体的にも精神的にも有害である可能性があり、感染者の飛沫や接触によるウイルス感染力を低下させることにはならない(意訳)」(下記参照1より)

しかし、ここで指されている『消毒液』とは、アルコールやエタノール・次亜塩素酸ナトリウムのことであり、次亜塩素酸水は含まれません。

次亜塩素酸水は有機物に対する除菌・消臭効果を期待するものであって、消毒液とは全くの別物になります。

よって、「次亜塩素酸水の空間噴霧は危険」といった内容には誤りがあります。

2.次亜塩素酸水の空間噴霧は安全なのか

「次亜塩素酸水は、WHOの示唆する消毒液ではないから安心して空間噴霧に利用できる」と考えるのは早計です。

文部科学省は現時点で「次亜塩素酸水」は次亜塩素酸ナトリウム消毒液とは異なり、有効性はまだ十分確認されていないとして、
子どもたちがいる空間では噴霧器での散布などは、健康面への配慮から、行わないよう求める旨を教育委員会などに通知しました。(下記参照1より)

ここで注意すべきなのは、有効性が確認されていないための自粛であって、有害であるからの禁止ではないということです。

なぜ、ここまで話題になっているのに有効性が確認しきれていないのでしょう?

独立行政法人NITE(製品評価技術基盤機構)のデータによると「次亜塩素酸水」は製造方法や液性・濃度等が多種多様であり、検証方法が確立しきれないという現状があるようです。(下記参照1より)

しかし、鹿児島大学では次のような研究結果が立証されています。

「子牛や馬への安全性試験では、微酸性次亜塩素酸(pH6程度)水の空間噴霧による健康状態に対する悪影響は、臨床的にも血液生化学検査にも全く観察されなかった。」
「微酸性次亜塩素酸水の約30分間の空間噴霧により、空気中の浮遊細菌数が10分の1以下に減少することや空間噴霧の継続により空気中の細菌数が限りなくゼロに近づくことが証明された。」
「微酸性次亜塩素酸水の空間噴霧を牛の飼養施設内5年間以上に渡って実施しているが、動物や作業従事者に対する安全性に関する問題は全く発生していない。」(下記参照3より)

G-MISTにおいても、評価方法がない中で様々なエビデンス、安全性データを取得し販売しています。
既に80万L以上、業務用として環境清掃・空間衛生として使われていますが、人体への影響に対しての報告は1件もございません。(下記参照4より)

最後に

これまでの内容をまとめます。

  • 空間噴霧は危険だとされている消毒液に次亜塩素酸水は該当しない
  • 次亜塩素酸水噴霧の自粛は、現時点で有用性が確認されていないため
  • 空間噴霧の安全性と有用性が立証されている研究もある

次亜塩素酸水の空間噴霧による安全性は、製造方法等がメーカーにより異なるので、購入の際は検討が必要です。

しかし、次亜塩素酸水を使わないとすると、一般的に除菌などに使用されているアルコールや次亜塩素酸ナトリウムによる人体への有害な影響は無視できません。

次亜塩素酸水は、様々なエビデンスや安全性のデータを取得し販売している製品を選ぶことをおすすめします。

【参考】

1.独立行政法人製品評価技術基盤機構(2020)『「次亜塩素酸水」等の販売実態について(ファクトシート)』https://www.nite.go.jp/data/000109500.pdf(最終閲覧日2020.06.10)

2.NHK(2020)『「次亜塩素酸水」子どもいる空間で噴霧しないよう通知 文科省』https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200605/k10012460221000.html(最終閲覧日2020.06.10)

3.帆保誠二(2020)「微酸性次亜塩素酸水の空間噴霧による 飼養環境及び馬運車内環境の改善効果」http://www.m-hatta.co.jp/product/image/repo.pdf(最終閲覧日2020.06.10)

4.村上 秀樹(2020)次亜塩素酸水に関する箴部ネットニュース報道記事への弊社の見解について https://g-mist.1create.co.jp/pdf/opinion_on_the_press.pdf(最終閲覧日2020.06.10)